同じものを見ているつもりが

先日、「科捜研の女」の再放送を見ていたら世の中にはとんでもない能力を持っている人がいるという。

何でも他の人とは違った色彩で見ることができるという。
普通の空にオーロラを見ることができるという。そんな人の見る景色を凡人である私は想像することはできない。

同じ景色を見ているつもりが、違う景色を見ていた。そんな経験は普通の人同士でも起こる。

夫婦をそれなりにやったきていると、こういうケースが多くなって来ることに気がつく。

北山修さんの歌ではないが、

同じ花を見て
「美しい」、
と言った心と心が通わなくなる。

夫婦関係の危機と言えば言えなくもない。

多くの場合は、夫婦の危機まではいかない。喧嘩の元になる程度である。

喧嘩が重なって、やがて慣れや諦めへと昇華される。

「最近喧嘩が減って平和だよ。お互いに分かりあえて来たんだ」
などと安心してはいけない。

互いに諦めあっているだけなのかもしれない。

お互いが喧嘩をしているうちが華である。

「諦めなければ夢はかなう」
などと大袈裟なことを言うつもりはないが、

諦めずに互いに分かり合おうという状態、喧嘩が続く状態にこそ未来があると信じたい。

何事も見方を変えれば、事情は変わるのである。この程度であれば、凡人の私にもできない話ではない。